神経ブロックと神経ブロック療法
ペインクリニックの特徴的治療法が神経ブロック療法です。
神経ブロックとは。
注射器を用いて痛みの部位または痛みの原因となっている神経および周辺を、局所麻酔薬によって(疼痛などではアルコール等の高周波熱凝固で長期の神経破壊を行います)痛みを取り除く治療です。
施術(作用)時間は1~2時間程度の短時間で、注射器は外科手術の局所麻酔に使用されているものと同じ大きさです。
局所麻酔薬は一定の時間が経てば元に戻る安全な薬品です。
神経ブロック療法とは
ペインクリニックの特徴的治療法が神経ブロック療法です。
神経ブロックは、人が痛みを伝える知覚神経や交感神経に局所麻酔薬を注射することにより痛みを軽減する治療法です。
通常ブロック注射は複数回にわたり施術する場合が多く、ペインクリニック効果により血行が改善し神経過敏状態が軽減することで徐々に痛みが緩和していきます。
決して「その場しのぎの鎮痛剤(痛みどめ)」ではありません。
神経ブロックの種類
ペインクリニックの神経ブロック法は約50種類ありますが、現在の医療現場で用いられれているのは約20種類です。
硬膜外ブロック・星状神経節ブロック・三叉神経ブロック・後頭神経ブロック・トリガーポイントブロック・肋間神経ブロック・肩甲上神経ブロック等が実症例で用いられますが大別しますと下記の3種類となります。
神経ブロックの種類
- 体性末梢神経(知覚・運動)ブロック
- 交感神経ブロック
- (1)と(2)を混合したブロック療法
体性末梢神経(知覚・運動)ブロックと交感神経ブロック、両者を混合したブロックです。
人の体は「頚・胸・内臓・腰」の4箇所にそれぞれの交感神経がありますので、ペインクリニックでブロックできます。
この交感神経ブロックをすると、知覚や運動神経には影響を与えずに4ヶ所それぞれが支配している領域(部位)の血行を改善し、痛みを遮断することができます。
また疾患部の炎症を抑えることにより自然治癒力を促進させます。
頚部の星状神経節ブロック等を含め交感神経のブロックがペインクリニックで最も多く用いられ、次に多いのが入院治療の際に用いられる硬膜外ブロック(頸部・胸部・腰部・仙骨部)です。
神経ブロックは人体の「知覚神経・交感神経・運動神経」を遮断(ブロック)することにより、痛みのために機能していなかった筋肉や組織の血流が改善されます。
原因不明の痛みや長期に渡る慢性的な痛みを抑える治療法としては右に並ぶものがないほど効果を発揮します。
体内に蓄積されていた不要な老廃物や痛みの原因となる発痛物質が洗い流されることにより痛みの悪循環にピリオドが打たれます。
ペインクリニツ練馬外来の治療対象
ペインクリニックの神経ブロック治療は頭部から下肢の全部に加えて心までもを治療対象の領域としています。
そのため対象(適応)疾患も幅広く、頭痛、後頭部痛、顔面麻痺、各部位の痙攣から漠然と背中が痛い、肩や膝が痛むといった日常生活をおくる上で不便となるような痛みや、帯状疱疹後神経痛の痛み、極度の花粉症、自律神経失調症などもペインクリニックの治療範囲として改善が期待できます。
また痛みの箇所は人体に留まらず痛みで弱った「人の心」までもを治療対象としており、多くのペインクリニックの専門医師は起こりうる合併症を十分熟知し、又いかなる対処も行える設備や器具と技量を持つ鍛錬を重ねた専門医ですので、痛みに悩み苦しんだ患者さんは心身共に解き放たれて活き活きとした生活に戻ることが実現することができます。
慢性痛の痛みは、交通事故の外傷後にも続く痛み(むち打ち症などの後遺症)、手術後の痺れなどの痛み、頸肩腕痛症候群(キーパンチャー症候群)や帯状疱疹後神経痛など痺れを伴う痛みが多い特徴があります。
上記のような症状が半年以上も持続しますと、慢性痛の患者さんは毎日のように痛みで悩まされ、睡眠を妨げられて精神的にも落ち込みます。
心の中に暗い影を落とすかのように抑うつ状態になり、体の痛みと共に心も動かなくなります。
更には、病気や傷は治っているのに「どこが痛いのか?」と言われ「気のせいだ」と突き放されると、焦燥感を伴って抑うつ状態が悪化しかねません。
働ける世代でいながら、何らかの「痛み」を抱えて働けない人が高齢化時代と共に増加し、社会福祉の手が届かずに老後破産してしまうという社会問題にもなっています。
ペインクリニック練馬外来では、どのような些細な痛みであっても「気のせいだ」と片付けることは致しません。
診断した結果、痛みの原因が明確で確実な場合は、まず神経ブロックで痛みの悪循環を遮断する治療をします。
原因が判明しない痛みの場合は、ペインクリニックで痛みの治療を専門的に行うこととなります。